FTPクライアントは数多くありますが、現在は実質FileZillaの一強状態ではないでしょうか。
Windows/Mac/LinuxとOSを問わず使え、基本的な機能から様々な便利な機能が網羅されているFileZillaを導入から設定、接続まで徹底解説します!
- FileZillaの特徴がわかる
- FileZillaの設定ができる
- 接続から便利な機能まで使う事ができる
FileZillaとは?
FileZillaはオープンソースで開発されている無料のファイル転送ソフトで、Webページ制作には欠かせないローカルとサーバー間のファイル転送を行えます。
- Windows/Mac/Linux対応のクロスプラットフォームソフト
- 開発はオープンソースで進められており、完全無料
- サイトマネージャーやマスターパスワードと言った便利機能
細かいところまで手が届き、またセキュアな通信方式であるSFTPにも対応しているのでIDやパスワードの漏洩対策もばっちり行えます。
FileZillaの導入
それでは実際にFileZillaを導入して行きましょう!
Windowsの方は64bitか32bit適切な方を選んで下さい。
Windows
ダウンロードしたexeをダブルクリックしてインストーラーを立ち上げます。
利用規約が表示されるのでI Agreeで次に進みます。
自分専用のPCならAnyoneでも問題ありませんが、共用PCならOnly for meを選択してもOKです。
言語ファイル等を一緒にインストールするか選択できますが、基本的にそのままでOKです。
デスクトップにショートカットが欲しい方はDesktop Iconもチェックしておきましょう。
インストールフォルダは特段理由が無ければそのままでOK。
別ドライブ等で管理されている方は適宜変更して下さい。
Windowsボタン(スタートボタン)を押した時に一覧表示されるフォルダの名称の変更ができます。
基本的にそのままでOKです。
Installをクリックするとインストールが始まります。
無事インストールが完了しました。
Start FileZilla nowにチェックが入っている事を確認してFinishをクリックし、設定に移りましょう!
Mac
Macの場合はダウンロードしたアーカイブ(.tar.bz2)をダブルクリックで展開します。
展開したらFileZillaのアイコンが表示される(デフォルトだとダウンロードフォルダ)ので、これをアプリケーションフォルダにドラッグ&ドロップするとインストール完了です。
FileZillaの設定
無事インストールが完了したら、今度はFileZillaの設定を行っていきます。
まず立ち上げるとこんな感じの画面が開きます。
- メニューバー
- ログエリア
- ローカルサイト
- リモートサイト
- キューエリア
FileZillaは5つのエリアで構成されています。
各種操作はメニューバーから、その下のログエリアは実際に通信した内容が表示されます。
ローカルサイトは自分のパソコン、リモートサイトはサーバー。
キューエリアはファイルの転送状況が表示され、失敗した転送タブから再度キュー(ファイル転送リクエスト)を出す事ができます。
サイトマネージャーの設定
FileZillaにはサイトマネージャーと呼ばれる、サーバーへの接続設定を保存しておける機能があります。
一度ここに接続情報を登録しておくと、次からホスト名やユーザー名を入力する必要がなくなります。
サイトマネージャー機能を利用するには、画面左上のサイトマネージャーアイコンをクリックするかメニューからファイル > サイトマネージャーを選択します。
新しいサイトをクリックして接続先サーバーの設定を行っていきます。
上から順番に設定していきます。
- サイト名でもドメイン名でも良いので分かりやすい名前
- 通信プロトコル(FTP/FTPS/SFTP)の設定
- ログイン情報の入力
名前の設定
名前はあくまでサイトマネージャー上で識別しやすい名前を設定すればOK。
サイト名でもドメイン名でも良いので分かりやすい名前をつけてあげましょう。
通信プロトコルの設定
どのような方法で接続するかを選択できますが、優先順位は上から順に
- SFTP
- FTPS
- FTP
これをサイトマネージャー上の表記に直すと、
- SFTP – プロトコル:SFTP
- FTPS – プロトコル:FTP|暗号化:明示的なFTP over TLSが必要
- FTP – プロトコル:FTP| 暗号化:平文のFTPのみを使用する(安全でない)
となります。
暗号化には他にも「使用可能なら明示的なFTP over TLSを使用」がありますが、もしFTPSで接続できない場合FTP接続をしてしまうため基本的に避けましょう。
ログイン情報の入力
ログイン情報はユーザー名と、パスワードもしくは秘密鍵が必要になります。
FTP/FTPS/SFTP(パスワード方式)の場合パスワード、SFTP(公開鍵認証)の場合秘密鍵になりますが可能な限り秘密鍵が必要なSFTPを選ぶべきです。
RSA秘密鍵をPuTTY(ppk)に変換
公開鍵認証を選んだ場合秘密鍵のファイルはPuTTY形式の.ppkが必要ですが、RSA秘密鍵を指定すると.ppkへの変換を行ってくれます。
RSA秘密鍵にパスフレーズが設定されている場合パスフレーズを入力しOKを押すと.ppkファイルが作成されるので保存して指定しましょう。
SFTPでの設定例
僕はSFTP(公開鍵認証)を推奨しているので、今回はSFTP(公開鍵認証)での設定例を記載してみました
もちろんどの項目もご自身が契約しているサーバーの情報が必要です。
メジャーなレンタルサーバーの設定ページへのリンクを貼っておくので、適宜情報を取得して入力して下さい(VPSサーバーについてご自身の設定内容によります)。
エックスサーバー
▶ SSH設定 | レンタルサーバー【エックスサーバー】(※推奨)
▶ FTPソフトの設定 | レンタルサーバー【エックスサーバー】
ConoHa WING
▶ SSHアカウントを作成する|ConoHa WINGサポート(※推奨)
ColorfulBox
▶ SSHのご利用方法 – ColorfulBox(カラフルボックス) サポートサイト(※推奨)
▶ FTPソフトの設定方法 – ColorfulBox(カラフルボックス) サポートサイト
接続してみよう
設定が終わったら接続してみましょう!
SFTP(公開鍵認証)の場合、初めて接続する場合はエラーが出ます。
これはなりすましを防ぐために初回必ず表示されます。
チェックを入れておけば以降表示はされませんが、キャッシュされた情報と毎度照合しなりすましを防いでくれます。
画面右側のリモートサイト欄にフォルダが表示されれば無事接続完了です!
デフォルトディレクトリの指定
余裕があったら設定しておきたい項目として詳細タブをクリックすると、デフォルトのローカル/リモートディレクトリが指定できます。
接続する度に毎回ルートディレクトリから、なんてのは面倒なのでここにパスを設定しておけばログイン時自動的に指定したディレクトリから始まります。
ローカルはもちろんサーバー側もなので、可能であれば設定しておきましょう(レンタルサーバーによってはリモートディレクトリが指定されている場合もあります)。
マスターパスワードの設定
次に行っておきたい設定がマスターパスワードを使えるようにする事。
マスターパスワード機能を有効にしておくと、サイトマネージャーで登録したログイン情報を暗号化する事ができます。
更にパスワード方式のログイン時にマスターパスワードの入力が必須になるので、ちょっと席を離れた隙に誰かに勝手にログインされてしまう事を防ぐ事ができます。
特に持ち運んだりカフェやコワーキングスペースのような公共の場で操作するノートパソコンでは必ず設定しておきたい項目です。
編集>設定と進んでマスターパスワード機能を有効にしましょう。
左側のメニューのインターフェイスの中にパスワードと言う項目があるので選択します。
デフォルトは「パスワードを保存する」にチェックが入っているので、「マスターパスワードで保護されたパスワードを保存する」にチェックを入れマスターパスワードを決めて入力します。
FileZillaの基本操作をマスターしよう
先述した通りFileZillaは左がローカル(自分のパソコン)、右がリモート(サーバー)という形です(FTPクライアントは大体そういう作りになっています)。
基本的な使い方を覚えておきましょう!
ダウンロード/アップロード
まずは基本的なファイルのアップロードとダウンロードから。
左側のローカルにindex.htmlファイルがあります。
これをサーバーにアップロードするにはダブルクリックをするか、ドラッグ&ドロップします。
1ファイルだけならダブルクリックで良いですが、複数のファイルを全部ダブルクリックするのは面倒なのでそういう場合は複数のファイルを選択してドラッグ&ドロップするのが良いでしょう。
ダウンロードも全く同じように、今度は右から左へという操作でOKです。
パーミッションの変更
WordPressサイトの場合、稀にプラグインの追加等でパーミッションを変更する必要があります。
パーミッションを変更したいファイルやフォルダの上で右クリックをし、パーミッションの変更から変更する事ができます。
ファイル/フォルダ検索
FileZillaではローカルやリモート上のファイルやフォルダ(ディレクトリ)を検索する事ができます。
「あれ?あのファイルどこにアップロードしたっけ・・・」みたいに場合に役立ちますね!
WordPressの場合、特にテーマに関するカスタマイズで親テーマのファイルを子テーマにコピーする必要がある時なんか役立つと思います。
慣れてる方だとテーマはwp-content/themes/の中にあるとか覚えてますけど、たまに触る程度だと覚えてられないですからね笑。
まず検索したいディレクトリに移動します(そのディレクトリ以下の全てから検索します)。
次にメニューのサーバーを選択し、「リモートファイルの検索」をクリックします。
検索画面がポップアップするので、条件を指定し検索ボタンをクリックします。
下の結果欄に条件に合致するファイルやフォルダの一覧が表示され、例えばファイルの場所を知りたい場合はパス列を見ればそのファイルがある場所が分かります。
- 名前
- ファイルサイズ
- パス
- 日付
の4種類の検索スタイルが用意されています。
こんな感じでand検索を行う事もできます。
画像では「名前がstyle.cssに完全一致し、かつ2019年1月1日以降に更新」という検索ですね。
- いずれかの条件に一致(or検索)
- どの条件にも一致しない(and not検索)
- いずれかの条件に一致しない(or not検索)
も用意されています。
比較
大量にファイルを書き換えていたりすると、どのファイルを書き換えたのか分からなくなってしまう事があります。
そんな時はローカルとリモートの比較を有効にすれば一目瞭然です。
メニューバーの虫眼鏡アイコンをクリックすると比較が有効になります。
色無し | 更新が無いファイル |
緑色 | 更新があるファイル |
黄色 | 片方にだけあるファイル |
何を更新したのか、何が更新されていないのかひと目で分かり便利です!
インポート/エクスポート
例えばパソコンの買い替え時等に便利なのが設定のインポート/エクスポート機能。
古いパソコンからサイトマネージャーの設定をエクスポートして、新しいパソコンでインポートすればパソコンを買い替えても同じように使えます(もちろん秘密鍵の移行も別途必要です)。
FileZillaでファイル転送をマスターしてWeb制作をスムーズに
ファイル転送はWeb制作で切っても切れない作業の一つです。
WordPressサイトだと基本的にサーバー側で簡単インストールが実装されていてFTPクライアントに触ったことが無いという方もいるかも知れませんが、ふと何かのタイミングで必要になる事があります。
そんな時高機能で安全なFileZillaを使いこなせれば作業効率は一気に向上します。
わざわざ使いにくいWordPressのテーマエディターなんかを使うより、便利で見やすいVisual Studio CodeやAtomみたいなエディタを使った方が修正も楽ですしね!
これを機に是非使いこなして下さい!
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