ConoHa VPSにおけるWordPress仮想マシン、KUSANAGIを1から導入するのは非常に大変な作業です。
しかしKUSANAGI managerというKUSANAGIかんたんインストール機能の提供が開始され、そのハードルはグンと低下しました。
ここでは手順通りに行えば初心者でもKUSANAGI環境のWordPressが使えるようにステップ形式でお送り致します!
ConoHa VPSのKUSANAGIを選ぶ理由
まず最初に、今回はConoHa VPSというサーバーを利用してKUSANAGI導入を説明しています。
なぜ ConoHa VPSなのか、理由は2つあります。
- 時間課金なのでやっぱ辞めた!が簡単にできる
- KUSANAGI managerで初期導入がマウス操作でできる
この2点が大きく、初心者でも比較的簡単でかつ損切りもしやすいですね。
時間課金で気軽に損切りできる
サーバーは通常月契約なので、「自分には向いていないな・・・」と思った時もまともに1ヶ月分費用が掛かります。
対してConoHa VPSは時間課金。
個人ブログで使うプランを見てみると1.5円~6.0円/1時間という形なので、万が一辞める場合も費用がめちゃくちゃ安く済みます。
いくら初期導入がコマンド不要とはいえ、実際にはコマンドが必要になってくるのでそこで「自分には無理」となった時の損切りがやりやすいという保険があるのは大きいですよね。
挑戦したけどやっぱやめよう!ってなった時、例えば10時間で辞めたら1GBプランならたったの15円で辞められる!
もちろんドメインはConoHa VPSとは別契約なので1年分の費用が掛かりますが、ドメインは使い回しができるので他サーバーで使えます。
もしどうしてもダメだった場合、有名ブロガーであるヒトデさんが運営するhitodeblog®を参考にブログ作成する事をオススメします。
KUSANAGI manager
ConoHa VPSは初めてKUSANAGIをコマンド操作不要で行えるKUSANAGI managerをリリースしました。
これは本当に画期的な事で、今までKUSANAGIを導入するためには
- OSインストール・各種設定
- Webサーバーインストール・各種設定
- PHP、MySQL等のインストール・各種設定
- KUSANAGIインストール・各種設定
と膨大な量の作業を行って初めてKUSANAGIの導入ができるというものでした。
この作業を全てクリックだけで数分で終わらせられるというのはユーザーとしては本当にありがたいです。
当KUSANAGI導入講座ではドメイン取得やサーバー契約はもちろん、その後必要になるコマンド操作からWordPressの運営までを徹底的にサポートして行きます!
ConoHa VPSでKUSANAGI導入
- Step.1ドメイン取得
- Step.2サーバー契約
- Step.3SSL接続の設定
- Step.4SSH接続の設定
- Step.5rootユーザーのログイン禁止措置
- Step.6パッケージアップデートとyum-cronの設定
- Step.7ファイアウォールの設定
- Step.8SSH接続ポートの変更
- Step.9URL正規化
- Step.10FTPクライアントからの接続
それではKUSANAGIの導入について徹底的に解説して行きます!
KUSANAGIが導入できるVPS(サーバー)はいくつか種類がありますが、執筆時点でKUSANAGIのかんたんインストールを実現しているのはConoHa VPSだけです。
そこで今回はConoHa VPSにおいてKUSANAGIの導入を行っていきます。
なお、当記事は執筆時時点で以下の環境で行っております。
OS | CentOS 7.6.1810 |
Webサーバー | Nginx 1.15.12 |
PHP | PHP 7.3.5 |
DB | MariaDB 10.1.40 |
KUSANAGI | 8.4.2-2.noarch |
ドメイン取得
新規にWordPressサイトをオープンするつもりなら、ドメインが必須になります。
メジャーなドメイン管理会社としてお名前.comがあげられますが、最安値でドメインの取得・更新ができるエックスドメインをオススメしています!(メジャーなお名前.comと比較してもこちらの方が安いし、有名な大量のメール受信もありません笑)。
他ドメイン管理会社と比較しても
- 料金が最安値レベル
- 各種設定画面が軽い
- 不必要なメールが来ない
と、エックスドメインはかなりオススメなドメイン管理会社です。
サーバー契約
ドメインの取得後、ConoHa VPSで会員登録やサーバー設定を行っていきましょう。
WordPressのインストールまで全てを解説してあります。
今までコマンド操作でのみ可能だったKUSANAGIの導入が非常に簡単に行なえます!
全作業画像付きで掲載しているので、初めての方でも手順通りで簡単に導入が行えます。
SSL接続の設定
Googleが推奨してからというもの、WebサイトのSSL(https)接続は標準化が進んでいます。
セキュアな接続で無いHTTP接続は色々なブラウザで安全ではないと表示され、それだけでユーザーの離脱が進んでしまいます。
このSSL化を、ConoHa VPS+KUSANAGI managerならなんと1クリックで設定できちゃうんです!
数分でできるので、すぐにSSLをしてしまいましょう!
SSH接続の設定
上記の手順でWordPressのインストールまで行ったら基本的にブログを書く、という作業はすぐにでも始められます!
しかしVPSサーバーは通常のサーバーと違い、一部コマンド操作と呼ばれる手順が必要。
もちろんコマンド一切不要でブログを運用する事も可能ですが、やっておいた方が良い事もいくつかあります。
その下準備として、コマンドを安全に使っていくと共にセキュリティも強化して行きましょう!
rootユーザーのログイン禁止措置
rootユーザーはサーバー上で最も大きな権限を持つユーザーで、通常はrootユーザーのログインを禁止し必要な場合一般ユーザーでrootユーザーの権限を借り受ける、というのが一般的です。
rootユーザーをそのまま放置しておくと、万が一不正ログイン被害にあった時サーバー丸ごと削除されてしまったりさらなる不正の踏み台になってしまう恐れがあります。
例えば知らぬ間に自分の運営するWebサイトにマルウェアやウイルスが仕込まれていて、自分のサイトを閲覧したユーザー全てに感染していたら・・・。
想像しただけでも恐ろしいですね、すぐにでも対処しましょう!
パッケージアップデートとyum-cronの設定
VPSはサーバーを自分で管理する必要があります。
そのため、自分の責任でしっかりパッケージ(ソフトウェア)のアップデートを行う必要があります。
しかし一々コマンド操作でソフトウェアのアップデートを行うのは非常に面倒。
そこでアップデートを自動化し、常に最新の状態でサーバーを運用するようにして行きましょう。
ファイアウォールの設定
ファイアウォールは悪質なクラッキング(不正ログイン等)からサーバーを守る最初の砦です。
ファイアウォールが設定されているかいないかでサーバーが何らかの被害に合う可能性がグッと減って安全性は別次元。
不必要なサーバーへの通信経路を遮断できるというのがファイアウォールなんですが、設定は非常に簡単に行なえます。
- 起動させる
- 通信させるポートを開ける
- 再起動しても起動するように自動起動設定する
やってる事はこれだけなんですが、即効性が高い対策なので最優先でやっておくべきでしょう!
SSH接続ポートの変更
SSHで安全に接続できるようになったとは言え、入り口が標準の22番ポートのままだと不正ログインの試行をされ続けてしまいます。
SSHのポートを変更するだけでこの危険性を限りなく下げられます(少なくとも22番ポートのみを攻撃するプログラムを一切無効に出来ます)。
SSHのポート変更も手軽に出来てかつ効果が高いので、是非ともやっておきましょう!
URL正規化
コマンド操作ができるようになったら行って起きたいのがURLの正規化。
www.有り無しというのはURLにおいて非常に重要で、どちらでもアクセス出来てしまう状態はよろしくありません。
これはサーチエンジン(Google等)が別のURLと認識してしまうので、記事への評価が分散してしまう為です。
また、例えば他のサイト運営者がリンクを貼りたい場合www.有り無しどちらにリンクを貼るべきか迷ってしまいます。
それを避ける為にもURLを正規化して行きましょう!
必須ではないけどやっておくと便利な設定
決して必須ではないんですが、一度やっておくとVPS管理が簡単便利になる設定をまとめておきます。
【Windows限定】Tera Termでワンクリック接続出来るようにする
Windowsの場合、Tera TermからSSH接続する時一々ホスト名やポート番号、ユーザー名等を入力する必要があり非常に面倒。
これをワンクリックで接続できるようにマクロ言語を使って設定して行きます。
更に複数のVPSを使い分ける場合、VPSごとの設定を覚えておくのはめちゃくちゃ大変。
という事でワンクリックで接続先を選択出来るようにもできます!(ConoHa VPS1契約だけという場合は必要ありませんが、例えばローカルに仮想環境を構築する場合等ももちろん使えます)
【Mac限定】SSHを短いコマンドで接続出来るようにする
MacのターミナルからSSH接続する時は、通常長いsshコマンドを入力する必要があります。
これを短いsshコマンドで接続出来るようにする設定。
管理VPSが増えてくるとほぼ必須の設定ですが、ConoHa VPS1契約だけという場合でも利便性が増すので是非取り入れて欲しい設定です。
特に複数管理される方はincludeを使った管理はメンテナンス性が非常に良いのでこの機会に導入しましょう!
ConoHa VPSでKUSANAGIを導入した後のWordPress設定
- Step.1Google Search Consoleの導入
- Step.2Bingウェブマスターツールの導入
- Step.3Googleアナリティクスの導入
- Step.4Googleタグマネージャーの導入
WordPressを新規に開設したらやっておきたい事として、Google Search ConsoleやBingウェブマスターツールの登録があげられます。
これらはサイトの分析やサイト構造を検索エンジンへ伝える為のツールですが、設定しておくとサイトの運営状況が数字やデータとして可視化されどう改善していくべきなのかを正しく認知できます。
新規サイト開設=必ず行うものとして覚えておきましょう!
同様にアクセス解析が行えるGoogleアナリティクスの導入も行いたいです。
が、普通にGoogleアナリティクスを導入するよりもGoogleタグマネージャーを経由して導入する方が今後の拡張性が良いです。
Googleタグマネージャーは様々なタグの導入、Googleアナリティクスと連携して解析が行なえます。
例えば楽天アフィリエイトやAmazonアソシエイト、A8.netやバリューコマース等のASPのURLが何回クリックされたのか。
また、どの記事から多くクリックされているか等の計測が行なえます。
もちろんASP管理画面からの測定も行えますが、Googleアナリティクスにデータを集約する事で一元化できるので僕はGoogleアナリティクスで見れるようにしておくことを推奨しています。
FTPクライアントの設定
KUSANAGI managerを使ってWordPressをインストールする場合、通常であればFTP(ファイル転送)ソフトの使用は必要ありませんが、WordPressはカスタマイズ等をしているといつか使う日が来ます。
しかしFTPはもう過去の技術、実は危険がいっぱいです。
この機会にFTPの正しい知識を学び、安全に使えるようにしていきましょう!
僕は最も高機能で利便性も高いFileZillaというソフトを愛用しています。
プラグイン関係
WordPressのプラグインには、一部Apacheの機能(mod_rewrite等)を使って機能を実現させている物があります。
中にはNginxを採用する、ConoHa VPS+KUSANAGI manager等で使えない物もあります。
そういったものの情報も今後随時取り入れていきます。
ひとまず超人気プラグイン、EWWW Image OptimizerをNginxで使う方法をまとめました!
ConoHa VPSのKUSANAGIを導入してブログを1段階レベルアップ!
KUSANAGIを導入する上でコマンド操作は初心者にとってめちゃくちゃハードルが高いものでした。
しかしKUSANAGI managerの登場でサーバー構築の基礎部分(WebサーバーのインストルールやKUSANAGIの初期設定)はマウス操作で簡単にできるようになりました。
もちろんコマンド操作も引き続き必要なんですが、全てステップ形式で簡単に行えるように解説してありますので是非挑戦してみて下さい!
コメント
Conoha VPSの新プランに移行するために旧プランのVPSから新プランのVPSに上手く移行する方法を記事にしてもらえるとうれしいです。
お問い合わせありがとうございます!
ConoHa VPS新プラン移行は完全に新規VPSを立ち上げる(=別で契約し直す)必要があるんですが、新規と違って中身がどんな環境になっているのか個々によって異なりすぎるのでちょっと難しい部分はあるんですよね・・・。
方法としては
等が考えられます。
なお既存のサイトをSSL化している場合は、作業の24時間ぐらい前からDNSのAレコードTTLを300秒ぐらいに設定してDNS浸透が素早く行えるようにしておくと結構すんなり移行できます!
とりあえずアクセスが一番少ない時間帯に合わせて事前に新VPSで各種設定→DNSのAレコード書き換え→DNSが新VPSを向いたら即座にSSL化→新VPS上のWordPressにデータを入れる
という流れです(大規模サイトでアクセスが多い場合、事前にSSL証明書を発行すればほとんど遅延なく移行させる事もできます)。
後日最もベーシックな方法で記事化したいとは思っているんですが、取り急ぎこんな感じになります・・・!